決戦は土曜日
明日、論文の審査会がある。自分の書いたものを、偉い学者達の前で発表しなければならない。自分の書いた、出来損ないの論文を晒さなければならないのだ。
質疑に答えられる自信がない。ましてや俺は、5年近く大学院から姿を消していたのだ。突然姿を現して、訳のわからない論文の発表をするのだ。恥をかくに決まっている。
…というネガティブな考え方は、もうやめよう。
この5年間、右往左往し、散々辛い想いをし、寄り道を繰り返してきた。だけど俺は帰ってきたんだ。
何のために帰ってきたのだ?
あの時の自分と向き合うためにだ。
そして明日、その答えを示さなければならない。
俺は上手く受け答えできないだろう。
キツイ質問をされるかもしれない。
恥をかくかもしれない。
それで、いいのだ。
それが、俺の本当の姿だ。それがこの5年間の答えなのだ。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。
みっともないけど、一生懸命生きてきた自分の姿だ。
俺は完璧ではない。
俺は優秀でもないし、愚かでもない。
今あるのが俺の姿だ。それを否定して何になる?
もういいじゃないか。
自分を責めるのをやめよう。
ここまで辿り着いたんだ。逃げ場などない。
自分を許すんだ。
そこから始まるものがあるかもしれないから。
ああ、ここまで来たんだ。
やれることを、最後までやろう。
この「旅」も、明日で最後だ。
最後まで目をそらすな。
禁パチ214日目。