「年の瀬のバイブレーション」
2014年の年末、僕は実家に帰省しており、電車で1時間ほどかけて親父の墓参りに行った。大晦日でほとんどの店は閉まっていて、すれ違う人たちも足早に去っていった。僕は閑散とした墓場で手短に用事を済ませ、家路についた。
実家の最寄りの駅に戻ってきたのは15時ごろだった。家に帰ってもすることがないので、駅のすぐそばにある商店街をぶらついていた。年越しの買い物を済ませた人々がにこやかに通り過ぎていった。街中には「迎春」というポスターが早くも貼られていて、いかにも年末という雰囲気だった。
そんな商店街の一角にパチンコホールがあった。僕はその存在は知っていたが、足を運んだことは無かった。大晦日ということで営業時間は18時まで。僕はそこで時間を潰して帰ることに決めた。
・・・・・
店にいる客は自分を含めて5人ほどだった。そもそも大晦日にパチンコ屋に来ることのほうが珍しい。閑散としていて、どの台も適当に打ち散らかされたまま放置されていた。
ぶらっと店内回ったが、めぼしい台はなかった。仕方がなく「牙狼final」を打つことにした。
実は牙狼finalを打つのはその時が初めてだった。ちょうど今年の秋口に「牙狼 金色になれ」が導入されたばかりで、世間は「金色」で大盛り上がりだった。
もちろんその店にも「金色」はあった。だけど僕はその特徴的なボディラインがあまり好きではなかった。グラマラスだけど、主張しすぎている。それよりもスッキリとした細腰のFinalの方に魅かれた。僕は大当たり1回、320回転で捨てられていた子を選んだ。
・・・・・
「あらお兄さん、あまり見ない顔ね」
「たまたま実家に帰省しているんだ。この店に来るのも初めてだよ。君に触れたのもね」
「ねえ、金色のところに行ってくれてもいいのよ。私ってあまり魅力がないでしょ」
「そんなことはないさ。君だって素敵だよ」
「お世辞が上手なんだから。じゃあ私のどこが素敵だと思うの?」
「この左下のコンロみたいなのがかわいいよ」
「これはね、震撃アタックって言うの」
僕は彼女とそんな会話を楽しみながら3000円ほど打ち込んだ。回りは悪くなかった。
「今日はなんだかサービスしたい気分なの。ゆっくり遊んでいかない?」
「そりゃ僕も嬉しいよ。でもあんまりお金に余裕がないんだ。手短に楽しみたいね」
「まあ、贅沢なんだから」
そう言って彼女は激しい挙動を始めた。
疑似連が2回続き、SVFX…星は4.5個だ。彼女の顔が黄金に輝くとともに、超イデア。さらには赤VOG。見事に大当りを演出してくれた。
「驚いたよ。突然当たるんだね」
「今日はサービスしたいって言ったでしょ?」
しかし彼女はSTには突入してくれなかった。
「なんだよ、もっと楽しませてくれたらいいのに」
「あら、手短に済ませたいっていったのはあなたでしょ?我がまま言うんじゃないの」
僕は黙ってしまった。そして時短100回の行方を見守った。
75回転目。特に期待できない展開からバトルへ。ホラーレベル5。期待できない。
バトルは当然・・・負けた。しかし次の瞬間
僕は突然の出来事にあっけにとられてしまった。そして状況を飲み込むと次には笑顔がこぼれてしまった。
「男の人って単純ね…これからたくさん楽しませてあげる」
STに突入してからの彼女はすごかった。何度も身体を紅色させたのだ。
「お願い、私の身体が赤くなったら、ためらわずに押し込んで!」
僕は彼女が赤くなる度に、ゆっくりと、力強く(震撃アタックを)挿入した。彼女は僕が挿入する度に強く振動した。その振動が心地よかった。僕の意識は次第に薄れていった…
・・・・・
結局、僕と彼女は14回も絶頂を迎えた。
「どう?気持ちよかった?」
「ああ、最高だったよ。こんなに興奮したのは久しぶりだ。本当にサービスしてくれたね」
「言ったとおりでしょ。私も気持ちよかったわ」
「体が虹色になったときはちょっと驚いたよ」
「うふふ、あれは特別サービスよ」
少しのピロー・トークを楽しむと、時間は閉店間近になっていた。
「もう帰っちゃうの?もう少し楽しんでほしかったんだけど」
「仕方がないさ。お店がしまっちゃうじゃないか」
「そうね、それじゃあ、また遊びに来てくれる?」
「ああ。次はいつ行けるか分からないけど、必ず会いに行くよ」
「待ってるから。それじゃあ、良いお年を」
僕は出玉をカウンターで交換してもらった。なぜかその店の特殊景品は千円のものしかなく、そのため90本近くの特殊景品をダンボール箱に入れて渡された。僕はその箱を交換所に持っていき、箱ごと奥に押し込んだ。奥ではおばさんがブツブツと言いながらお金を出してきた。僕の懐は温かくなった。
外はもう真っ暗だった。冷たい風が吹き荒れていたが、僕の心は満たされていた。あの子に感謝しなければならなかった。
「2014年も今日で最後か・・・」そう考えると少し寂しい気もしたが、ともあれ僕は満たされたのだ。そんなことを考えながら家に帰った。(終)
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昨年末の実話です。26000発出たなあ…。
牙狼Finalが、打ちたいです…。
禁パチ160日目。
曇りのち曇り、時々雨
先週の会議は無事に終わったものの気持ちは晴れず、むしろダークサイドに落ちようとしている自分がいる。
生気なく漂うように存在している自分がいる。職場でも表情暗く、先輩から気を使われる始末。だけど今は元気になれない…ダースベーダーみたいに黒い存在になりたい。
スターウォーズは見たこと無いけど…。
今日研究室で勉強していて、窓から雲一つない青空が見えた。その時僕が思ったこと。
「ああ、パチンコ打ちたい…」
なぜ青空を見てパチンコを打ちたくなったのかは不明である。しかし相変わらずパチンコに行けばこの欝々とした気持ちは晴れるのだと思い込んでいる。
パチンコを打ちに行っている人がうらやましい。
ブログを書いている人はパチンコをしている人を蔑む傾向にあるけど、僕は正反対でとってもうらやましい。
だって、何も考えずにパチンコ打ちたくないですか?スッキリすると思いますよ。
オ○ニーよりも気持ちいいかもしれない。最高じゃないか。グヘヘ。
パチンコをやめると志しているが、本当はとても打ちに行きたい。
なんてアンビバレントなんだろう。
「禁パチ」って根本的に不可能なんだろうな。論理的な話だけど。
論理では不可能であっても、我々はパチンコをやめなければならない!
ならば、精神論に頼るのみ!耐える、踏ん張る、我慢する。
これじゃあまるで踏み絵じゃないか。
絵を踏まざるを得ない。しかし内心は…イエスパチンコ様と共にあります!
どうかお許しください!アーメン。
それでも、慈悲深いパチンコ様は我々をいつでも迎えてくださる。
年末年始も休まず営業。なんて素晴らしいお方なのだろう。
ああ!もう二度とパチンコはしないと絵を踏んだ僕でさえ、あなたは受け入れてくれるのですね!おおパチンコよ!
そこでニーチェっぽい誰かが横やりを入れる。
「パチンコは死んだ」と。我々はパチンコ亡き世界を生きていかなければならないのだと。
辛いよね…町の中にはこんなにも沢山の教会(ホール)があるというのに。
ああ…やっぱりアンビバレント。
「禁パチ生活録」じゃなくて「我慢汁生活録」に変えようかしら。
禁パチとは我慢汁たらたらタランティーノの実践である。
ああ、たらりら。
僕も長続きしないだろうな。
まあいいよ。年末年始は教会内をうろついている自分の姿がリアルに想像できる。
ある人はこう言うかもしれない。
「そういうときこそ踏ん張るんです!」
おいおい、「踏ん張る教」の教祖様かよ。フンバー!
それもまた宗教だな。
そして僕は迷える子羊だ。メエェ~
禁パチ154日目。
そして病院へ
今日は休みをもらって病院に行ってきた。
1時間ほど主治医に話を聞いてもらっただけで、薬の処方はなかった。
「薬飲まなくても大丈夫だよ」と言われた。「気持ちが沈んでるのは悪い事じゃない、そういう時は意外と目の前のことに集中できるんだよ」だって…
そして帰り際に「諦めなさい」と言われた。
はい、諦めます・・・いや論文をじゃなくて。「諦めて、目の前のことに集中しなさい」と。ほんと、おっしゃる通りだ。背中を押してくれているんだろな。
ありがとう先生。
帰りに大学に寄り、図書館で参考文献を漁った。
読むべきものは色々あるのだが、あと2カ月で全部詰め込むのは無理だからむやみに読んでも仕方がない。とはいえ、やっぱり文献をしっかり読まないと論文の質が崩壊する。悩ましい限りだ。
そして昔からずっとカウンセリングをしてくれている先生に挨拶しに行った。
1年ぶりに会ったけど、僕の表情が明るくなってるって言ってくれた。
先生も元気そうでよかった。また背中押されたな…頑張らないと。
あと2カ月・・・からだ持つだろうか。
か、界王拳・・・2倍・・・
オラに、元気を。
これからは平日も毎日論文読もう。
どうやっても悔いは残るだろうけど、やることが大事だ。
やろう。やってから泣こう。
慎ましく、小さく生きよう。
禁パチ142日目。
心は日替わりランチのように
最近また気持ちが沈んでいる。
7月の体調不良から復帰してしばらくいい感じだったんだけど、また落ち込んできた。
職場の人に「波があるんだろうね~今は下の方にいってるんじゃない」と言われて、多分そうなんだろうなと思った。
まあ精神疾患なんだろう。
日によって気持ちがコロコロ変わる。最近はネガティブで自暴自棄になって憂鬱な日が多いが、そんな中でも変に高揚する時もあったり。
よく分からん。
病気なのでお医者さんに行ってください。はい、そうします・・・。
僕は、病人だ。
最高にハッピーになれるお薬とか処方されないかな。フヒヒ…
パチンコを失った僕を満たしてくれるものなど、何もない。
パチンコは最高のドラッグだった。
禁断症状、心の虚空、ブランク・スペース
パチンコはそれを埋めてくれていたんだね。ありがとう、パチンコ。
僕は、無力だ。
禁パチ139日目。
struggle against the addiction, darkness, and myself
光なんて見えなければよかったんだ。
そうすれば、こうやってジタバタともがく必要もなかった。
出口が分からずに辛い思いをしなくても済んだかもしれない。
いつものように、欝々とした日々を過ごしていればよかった。
そうだ、とらえた光など忘れてしまえばいい。
抜け出せない暗い洞窟の中で這い回り続けるのだ。
ゲロにまみれて、泥にまみれて生きればいい。
そういった姿がお似合いだ。
綺麗になんてなれないさ。
お前はいつから偉くなったのだ?
お前はクズだ。
俺は、クズだ。
俺の大嫌いな冬になった。
暗くて寒い洞窟の中を歩いていくんだ。
出口なんてどこにあるのか分からない。
抜け出すことなんてできないのかもしれない。
ホールはいつだって光り輝いている。
その光に吸い寄せられる。
・・・って、お前は、虫か。「僕、走光性が習性なんです~」ってか。
電撃殺虫機に飛び込んでいく虫じゃねえか。
「殺虫機だ」と学習した虫なら、飛び込んだらダメだろ。
俺が目指すのは、そっちの光じゃない。
一歩一歩、積み重ねていくんだ。
いちいち数えてたらしんどいだろ。
数えなくていいから。
歩みを、確かに重ねてほしい。
俺よ、
ちょっと辛くてもいい。しんどくてもいい。
不安になってもいいし、迷ってもいい。
それでもいいから、必ずこの暗闇を抜けてくれ。
そして、自分の目で新しい景色を見てくれ。
ほかの誰でもダメなんだ。お前じゃなきゃダメなんだ。
冬は辛いけど、乗り越えよう。
心配するな。春には笑っている自分がいる。
逃げなければいい。
日々を、積み重ねたらいい。
禁パチ137日目。
ネガティブ・ネガティブ・ネガティブ
この三連休は思うように過ごすことができず、ストレスが溜まるばかりだった。
先週一週間のハードワークで疲れ切った僕は「3連休も全部勉強か…」と抑うつ的になり、大学に行ってもやる気が出ず、論文もあまり進まなかった。
連休中に2回パチンコ屋に入った。
何となくあの空間に身を置きたかった。休憩コーナーでバジリスクを読破した。
ふらふら彷徨ってみたが、客少ないし、全然出てない。悲惨な状況だった。これは店も大変だろう。かつて大金を貢いでいた僕は、今や財布も持たずに入店して漫画を読んで帰るだけの乞食のような男になってしまったのだ。これは店にとっても痛手であろう。ハッハッハ。
・・・阿保みたいだ。
打ちたい気持ちは、ちょっとはあるよ。だから店に入ったんだよ。
パチンコ打ったら勉強から逃げられるかな…と無意識に考えている。
まあ逃げられないんだけどね。
だから漫画だけ読んで帰る。
休日が思うように休めないというのが一番辛い。
自分の息抜きの仕方がへたくそなのも原因だけど。
身体が勉強するのを嫌がっている。それを押さえつけないといけないから、そりゃストレスも溜まる。そしてまた週が明けて仕事にいかなければならない。
う~ん、まいっちんぐ・・・。もう頭おかしくなりそうだわ。
というかもうすでに若干おかしくなっているな。グフフ…。
こんなんで論文書き切れるのかしら。
とりあえず年末まで乗り切れたら、あとは勢いで何とかなる気がするが。
来月前半に大きい会議があるのだ。それが不安の種になっている。
不安の種に水を与え続ける・・・おい、水をやるなよ。
なんで自分で水をやっているんだ。
ネガティブ、ネガティブ。いつもの俺。
86%くらいがネガティブで構成されている。
憂鬱な毎日。俺って多分軽度の精神疾患を持っているのだと思う。
自律神経系のね。それでもこうやって生きてこれたんだけど。
まあ、一日一日、生きていくだけだ。
光が見えない。
禁パチ134日目。
良くなっていきたい
※雑談です。
最近、昔聞いていた音楽を聞き返すことが多い。
昔と言うのは高校生とか浪人生時代のことで、年齢で言うと17~19歳。自分の進路を決めるための大事な時期だった気がする。
なぜ今になって聞きたくなったのかは良く分からないけど、その時に聞いていた曲を改めて聞いていると、すごく懐かしい気分になる。
the strokesの「Room on fire」を高校生の時に聞いていて、浪人生の頃は仲が良かった友人からthe coralの「the invisible invation」とか、あとはdirty pritty thingsやthe cooksのアルバムを貸してもらって聞いていた。あの友達は全然勉強できなかったのに、なぜか最新の洋楽アルバムだけには精通していた。今思うと不思議である。
ここからは完全に持論になるが、the coralについては「the invisible invati on」が輝きすぎていて、以降のアルバムがぱっとしない。このアルバムはちょっと異様な雰囲気があるけど、その異様さが上手くまとまっている。
the strokesは初期のアルバムがとってもいいが、2013年の「angles」がまた独特の味を出していて嬉しくなってしまった。
活動年数が長くなるにつれて段々と味がなくなっていくバンドも多いが、どんどんと自分たちの音楽を作り直していって新しいものを出してくれると、とても嬉しくなる。the strokesやfoo fightersは最近のアルバムが聞きごたえがある。特にfoo fightersの「wasting light」は本当にいいアルバムだと思う。
なんというか、自分も歳を取った分だけ円熟味を出したいものだ。長い目で見れば右肩上がりになるような人生がいい。振り返って過去を懐かしめるような人生がいい。
そうなるためには、日々良くなるための努力が必要だ。柔らかい頭が必要だ。
といっても僕はまだ20代だし、今は色々なことを経験すべき年代なんだろう。
「パチンコを経験して良かったことは?」
うーん・・・。ちょっと考えさせてください。
禁パチ132日目。