へっぽこ社会人の禁パチ生活録

パチンコ依存症のアラサー社会人がジタバタしてみるブログです。

「年の瀬のバイブレーション」

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2014年の年末、僕は実家に帰省しており、電車で1時間ほどかけて親父の墓参りに行った。大晦日でほとんどの店は閉まっていて、すれ違う人たちも足早に去っていった。僕は閑散とした墓場で手短に用事を済ませ、家路についた。

 

実家の最寄りの駅に戻ってきたのは15時ごろだった。家に帰ってもすることがないので、駅のすぐそばにある商店街をぶらついていた。年越しの買い物を済ませた人々がにこやかに通り過ぎていった。街中には「迎春」というポスターが早くも貼られていて、いかにも年末という雰囲気だった。

 

そんな商店街の一角にパチンコホールがあった。僕はその存在は知っていたが、足を運んだことは無かった。大晦日ということで営業時間は18時まで。僕はそこで時間を潰して帰ることに決めた。

 

・・・・・

 

店にいる客は自分を含めて5人ほどだった。そもそも大晦日にパチンコ屋に来ることのほうが珍しい。閑散としていて、どの台も適当に打ち散らかされたまま放置されていた。

ぶらっと店内回ったが、めぼしい台はなかった。仕方がなく「牙狼final」を打つことにした。

 

実は牙狼finalを打つのはその時が初めてだった。ちょうど今年の秋口に「牙狼 金色になれ」が導入されたばかりで、世間は「金色」で大盛り上がりだった。

もちろんその店にも「金色」はあった。だけど僕はその特徴的なボディラインがあまり好きではなかった。グラマラスだけど、主張しすぎている。それよりもスッキリとした細腰のFinalの方に魅かれた。僕は大当たり1回、320回転で捨てられていた子を選んだ。

 

・・・・・

 

「あらお兄さん、あまり見ない顔ね」

「たまたま実家に帰省しているんだ。この店に来るのも初めてだよ。君に触れたのもね」

「ねえ、金色のところに行ってくれてもいいのよ。私ってあまり魅力がないでしょ」

「そんなことはないさ。君だって素敵だよ」

「お世辞が上手なんだから。じゃあ私のどこが素敵だと思うの?」

「この左下のコンロみたいなのがかわいいよ」

「これはね、震撃アタックって言うの」

 

僕は彼女とそんな会話を楽しみながら3000円ほど打ち込んだ。回りは悪くなかった。

 

「今日はなんだかサービスしたい気分なの。ゆっくり遊んでいかない?」

「そりゃ僕も嬉しいよ。でもあんまりお金に余裕がないんだ。手短に楽しみたいね」

「まあ、贅沢なんだから」

そう言って彼女は激しい挙動を始めた。

 

疑似連が2回続き、SVFX…星は4.5個だ。彼女の顔が黄金に輝くとともに、超イデア。さらには赤VOG。見事に大当りを演出してくれた。

「驚いたよ。突然当たるんだね」

「今日はサービスしたいって言ったでしょ?」

 

しかし彼女はSTには突入してくれなかった。

「なんだよ、もっと楽しませてくれたらいいのに」

「あら、手短に済ませたいっていったのはあなたでしょ?我がまま言うんじゃないの」

僕は黙ってしまった。そして時短100回の行方を見守った。

75回転目。特に期待できない展開からバトルへ。ホラーレベル5。期待できない。

バトルは当然・・・負けた。しかし次の瞬間

 

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僕は突然の出来事にあっけにとられてしまった。そして状況を飲み込むと次には笑顔がこぼれてしまった。

「男の人って単純ね…これからたくさん楽しませてあげる」

 

STに突入してからの彼女はすごかった。何度も身体を紅色させたのだ。

「お願い、私の身体が赤くなったら、ためらわずに押し込んで!」

僕は彼女が赤くなる度に、ゆっくりと、力強く(震撃アタックを)挿入した。彼女は僕が挿入する度に強く振動した。その振動が心地よかった。僕の意識は次第に薄れていった…

 

・・・・・

 

結局、僕と彼女は14回も絶頂を迎えた。

「どう?気持ちよかった?」

「ああ、最高だったよ。こんなに興奮したのは久しぶりだ。本当にサービスしてくれたね」

「言ったとおりでしょ。私も気持ちよかったわ」

「体が虹色になったときはちょっと驚いたよ」

「うふふ、あれは特別サービスよ」

 

少しのピロー・トークを楽しむと、時間は閉店間近になっていた。

「もう帰っちゃうの?もう少し楽しんでほしかったんだけど」

「仕方がないさ。お店がしまっちゃうじゃないか」

「そうね、それじゃあ、また遊びに来てくれる?」

「ああ。次はいつ行けるか分からないけど、必ず会いに行くよ」

「待ってるから。それじゃあ、良いお年を」

 

僕は出玉をカウンターで交換してもらった。なぜかその店の特殊景品は千円のものしかなく、そのため90本近くの特殊景品ダンボール箱に入れて渡された。僕はその箱を交換所に持っていき、箱ごと奥に押し込んだ。奥ではおばさんがブツブツと言いながらお金を出してきた。僕の懐は温かくなった。

 

外はもう真っ暗だった。冷たい風が吹き荒れていたが、僕の心は満たされていた。あの子に感謝しなければならなかった。

「2014年も今日で最後か・・・」そう考えると少し寂しい気もしたが、ともあれ僕は満たされたのだ。そんなことを考えながら家に帰った。(終)

 

 

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昨年末の実話です。26000発出たなあ…。

牙狼Finalが、打ちたいです…。

 

禁パチ160日目。